日々TwitterやInstagramにアップされるネコの写真。
そんなほっこりする映像を見て、年端もいかない少女少年が「あたしもネコ飼いたい」「僕もネコほしい」なんて思うかもしれません。
しかし、生き物を飼うにはそれ相応のリスクとデメリット、そして責任が生じるもの。
それを考えずにペットを自身のファッションアイテムかなんかのように勘違いしてしまう人も少なくない現状です。
そういう人たちも、好き好んで虐待まがいの飼い方になってしまったワケじゃありません。
おそらく「こんなに大変だと思わなかった」が加速して、やがて麻痺してしまったのでしょう。
繰り返しですが、ペットを飼うにはそれ相応の責任が伴い、決して楽なものではありません。
ここでは、幼い頃から家に動物がいるのが当たり前で、結婚していまなおネコを飼っている僕が、
「マジでネコ飼うのやめとけ」と言える13もの根拠を出していきます。
もくじ
ネコを飼う13のデメリット【ペット暦30年のオレが教えるホントに危険な罠】
「13とか多いんだよカス」
そう思うかもしれません。
しかし、13程度のデメリットもちゃんと読めない人がネコを飼うなんて、笑い話ではないでしょうか?
本当に飼いたいと思ってるなら、ちゃんと全部把握してください。
SNSでウザがられる
冒頭のような愛くるしいペット写真。はたまた動画。
あれは動物映像に特化したアカウントの中のおっさんが研鑽と改善を重ねた結果の賜であって、昨日今日ネコを飼い始めた人がマネできる代物じゃありません。
おそらく、ネコをはじめて飼う人はネコの視線をカメラに向けるだけでもムリゲーだと感じるはず。
素人がネコを撮影してもろくな映像にならないってことです。
にも関わらず、ネコを飼うとその写真を撮り、SNSにアップしたくなります。
「間違いなくウチの子がいちばん可愛い」
そんな妄想にとりつかれてしまうんですね。
でも、日々多くのネコ動画が流れてくるTLにおいて、そんな素人の写真はせいぜい「2いいね」
ほとんどのユーザーは「知らんがな」と、どうでも良い投稿はそれぞれの心の中で一笑に付すこととなります。
まぁ、ウチの子がいちばん映えますけどね。
それは間違いない
ネコホールドに遭遇する|トイレに行けない危険
この写真を見てください。
ネコホールド現行犯の写真
これは通称「ネコホールド」と呼ばれ、ネコを飼う9割以上の人が体験している鬼畜の所業です。
ドラクエの「麻痺」やFFの「ホールド」といった状態異常と同義
椅子に腰掛けていれば膝元に。
ベッドで横になっていれば股ぐらに。
こたつに入ってれば、膝だろうとケツだろうとおかまいなし。
「のしっ」という重量感とともに、最初は幸せな気分になるかもしれません。
しかし、時間が経過するとともに、やがて飼い主はネコの本当の狙いに気がつくことになります。
そう。
身動きがとれないんです。
ネコは飼い主が自分を強引にどかすことができないのを知っています。
そのうえで、あえて膝元に乗ってくることで、飼い主に嫌がらせを仕掛けてくるワケ。
このタイミングでトイレに行きたくなった日には地獄です。
「どかせばいいじゃないか」
そんな声が聞こえてきますね。
だって、どかしたらかわいそうだし、次いつ乗ってくれるかわかんないじゃん。
トイレはいつでも行けるけど、ネコはいつ「のしっ」ってしてくれるかランダムだからね。
ペットショップに入り浸る|貢ぐ体質のできあがり
僕が20歳のころにはペットショップの犬猫割合なんて8:2くらいなもの。
書店の文房具コーナーみたいなもんで、間違ってもメイン商品という扱いではなかったんですね。
しかし今ではネコ属の侵略が止まることを知らず、2017年にはとうとうネコがペット頭数として犬を逆転しました。
【引用】朝日新聞デジタル
こうなるとペット市場も当たり前に目を付けます。
これまでスーパーの電池売り場くらいしかなかったネコ用品コーナーは拡大し、おもちゃ、フード、おやつ、キャットタワー、ネコ用ハウス、果てはネコ用のケーキまで売り出す始末。
そうするとどうなると思いますか?
ペットショップから出る事ができなくなるんですよ。
言ってもネコ用の電動おもちゃやハウスなんて、そのほとんどが買ったところで引き出しの肥やしになるのが関の山。
ネコにとっては日本円での価値なんてどうでも良く、それこそ、そこら辺の虫の死骸のほうがまだワンチャン夢中になってくます。
夢中になるのは結局100均のヒモ…
にも関わらず、ネコを飼うと
「これ遊ぶかな…」「これ食べるかな…」「キャットタワー設置する場所あったかしら…」「このピンクのネコ用ハウスで昼寝してる姿なんてもう…」
と妄想を繰り広げ、あまつさえ会社のボーナスを4万円するキャットタワーにつぎ込み、自宅に郵送させたりします。
もちろん、買ったものすべてがムダになるワケじゃありません。
キャットタワーは(部分的に)使ってくれますし、ネコ用のハウスは(上から潰して)寝てくれたりもします。
それは枕じゃない…
猫ハウスの使い方がわからず屋根でくつろぐ猫の図
しかしそれにも増して、そのほとんどは「食べない」「使わない」「見向きもしない」の3拍子。
普通は1度買ってみて、ダメだったら同じようなものは買わなくなるハズです。
例えば電動のおもちゃを買って使わなかった。
もう同じような電動おもちゃを買い与える気にはならないでしょう。
それが、また買っちゃうんです。
恐ろしい。
買ったものの2割しか喜ばないハズなのに、その2割が嬉しくて嬉しくて、ネコ飼いは次々にお金をペットショップに落としてきます。
怖いのは、8割がムダになってるのに、残りの2割にしか目がいかなくなるところ。
「買って正解だったね」
夫婦でなんどそんな会話をしたかわかりません。だいたい不正解なのに。
これではダメオトコに貢ぐみつぐちゃんと同じ。
あるいは、たまの大当たりが脳裏に焼き付いてるギャンブル中毒みたいなものです。
ネコを飼うとなったら、ペットショップで無意味な散在を続けることになるのです。
仕事も、ボーナスも、ぜんぶネコのため。そんな生活になって良いんですか?
あ、そういえば新しいちゅーるが出てたんで山ほど買ってきました。
喜んで食べているので正解でした。
これも正解
なにがなんでも家に帰る|恋愛への悪影響
ご家族で飼う場合はこの限りではないのですが、ネコを飼うと家を長時間空けることができなくなります。
とくに子猫のうちは心配で心配で、出かけていても常に家にいるネコの事が心配になるでしょう。
そうなると、泊まりの旅行なんてもちろんNG
「今日は帰りたくないな…」なんていう女子の甘いささやきすら振り切る覚悟が必要になるワケです。
●仕事も上の空で、全力で定時帰宅
●デート中も様子が気になってしまう
●酒を飲んでいても、どこか「早く帰らなきゃ」という意識がある
これをデメリットと言わずして、なにがデメリットなのでしょう。
もちろん成猫になって、家で寝ている時間が増えればひと安心。
しかし、活発な子猫のうちは、目を離せばなにをしでかすかわかりません。
僕がいまの猫を飼い始めたときなんて「ちゃんとトイレ使えたかな…」という心配で、会社から光の速さで帰宅していました。
奴らは家に入る前には気配に気がついて出てくる
ずっと帰りを待っているのだ
これからネコを飼い始める方。
悪いことは言わないので、このペット用監視カメラを買っておくことを強くオススメします。
日常生活に「キモさ」がにじみ出る|おっさんは注意
ネコを飼うと、気持ち悪い人間になります。
これはホントに注意して頂きたい。
「ネコなで声」とはよく言ったもので、まずネコに話しかける言葉が気持ち悪くなります。
●ネコをなでながら「ここがいいのかい?ん?」
セクハラか男優さんばりですね。
●ご飯を食べさせながら「おいしぃんのぉん?」
基本的に無視して食べ続けます。
●ネコが一声鳴けば「どぉてぃたのぉ?」
お前がどぉてぃた。
文章だとわかりにくいけど、お母さんが電話に出るときくらい、声がワントーン高くなります。
その話し声はまるで赤ちゃんにでも語りかけるよう。赤ちゃんじゃないのに。
さらにはネコの腹に顔面をうずめてみたり、おもむろに抱きしめてみたり、用もないのに名前を呼んでみたり。
その光景は異常者としか言えません。
2000円を払って体を触らせてもらうおっさん
おさわり禁止なのに触ってしまったおっさん
機嫌をとるために工作までしてしまう始末
しかし、ネコを飼っている本人はその異常さ加減に気がつかず、今日もいい年した人間がネコに気持ち悪い声を発し続けているのが現状です。
僕は幸い気がつくことができましたが、これからネコを飼う方は本当に注意してください。家族や嫁から白い目で見られますから。
「ナァーン」
『ん?どぉてぃたの?いまぶろぐ書いてるんだからこってぃで大人しく…あ、どこ行くのぉ…』
タバコを吸えなくなる
ネコは煙草を嫌います。
ネコを飼うならベランダや換気扇の下で吸うことを余儀なくされ、これまで家の中で好き勝手喫煙を楽しんでいた方には苦痛でしかないでしょう。
副流煙の悪影響ももちろんですが、服に染み付いた匂いも嫌うんですよね。
僕もネコのせいで加熱式タバコに切り替えることを余儀なくされ、それもネコホールドにあっているときには吸うことができません。
煙草を吸おうものなら容赦なく殺そうとしてくる
もちろん「飼い猫に嫌われても良い」「近づいてほしくない」という方にはデメリットにはならないでしょう。
でもほら、好かれたいし。
家の中をまともに歩けなくなる
ネコを飼うと家の中でまともに歩くことができなくなります。
飼った経験のない方には「なんのこっちゃ」だと思います。
ネコって飼い主の足下でウロウロするんですよね。
お腹が空いたとき、構ってほしいとき、帰宅した直後。
それで油断してると、間違ってネコの足を踏んじゃったりします。
子供の頃、それで「小鉄」の足を折ってしまったのはいまでも苦い思い出です。
人の進路に寝転がっておいて威張ることも珍しくない
もちろん、四六時中ひとの足下をウロウロしているワケじゃありません。
なので、物理的に考えればいないときは普通に歩けば良い話です。
でも、長い間ネコを飼い続けると「ネコは足下にいるもの」っていう概念が染みつきます。
そうなると、ネコがいなくても、デフォルトで足下を気にしている自分に気がつくようになるんですよね。
夜中にトイレでも起きようものなら、黒い影はすべて飼い猫に見えます。
視界の端にネコがいるからと気をつけていたらクッションだったなんて事は日常茶飯事です。
カーペットに化けていることもある。これでは気がつかない
猫はいつでも足下に転がっている
ネコを飼うデメリットのひとつ。
それは「幻覚症状を引き起こすこと」と言えるでしょう。
ホント、足下ちょろちょろする姿が可愛い。
とにかく踏みつけられる
足下をウロウロするだけならまだしも、あまつさえ、ネコは飼い主の足を踏みつけてきます。
科学的にも解明しきれていない行動だそうですが、個人的には嫌がらせかネコなりのマウントだと信じています。
他にも、ネコが行う「ふみふみ」
「もみもみ」とか「ふみふみ」とかいろんな言い方がありますが、ようは踏みつけてきます。
カメラに写らないように人を踏みつける猫
冷静に考えてみて、そこら辺のおっさんが急にムワっとした革靴で踏みつけてきたらキレますよね?
でも、ネコを飼うとその自尊心すら踏みにじられる。
ネコ飼いはこれをもみもみとかふみふみとか可愛い言い方にして、怒るどころかネコ最大の愛情表現だと自分に都合の良い解釈をしてしまいます。
科学的にもこの行動は愛情表現や飼い主を親と思っての行動らしいですが、たぶん妄想でしょう。
ネコを飼うと、動物に足蹴にされても喜んでしまう。
猫はとにかく自分が上にいないと気が済まない
自尊心がなくなってしまうんですから、ホントに恐ろしいとしか言えません。
ちなみに、ふみふみされながら、喉がゴロゴロ鳴ることもあります。
至福のひとときです。ありがとうございます。
頭突きされる
外から帰ってきたとき。
ネコが飼い主の足にぐりぐりと頭をこすりつけてきます。
これは人間が言うには「マーキング」らしく、ようは外でついてきた匂いが気に入らないからやる行動らしいんですよね。
控えめに言って、こんなのメンヘラとしか言いようがありません。
もしくは、どんな些細な浮気の痕跡も見逃さない鬼嫁みたいなもんです。
自分の匂いじゃないと気に入らないって、独占欲の塊みたいな生き物ですよ。
全ネコに標準装備されてますからね?ネコOLLメンヘラです。
帰ってきた途端に壮絶な匂いチェック
人間だったら、過剰な嫉妬は嫌われます。
ネコだからまだ良いかもしれませんが、あ、ちょ、頭ぐりぐりしないで、もう…好き。
ゴミ屋敷になる
ネコを飼うと、ものが捨てられなくなります。
具体的に言いましょう。
ダンボールと袋とペットボトルのキャップが捨てられなくなります。
ネコはなぜかこれらのゴミが好きです。
人間からすれば同じように見えるゴミでも、ネコにはそれぞれ違いがあるようで、お気に入りの袋やダンボールが存在します。
僕はAmazonのダンボール箱を捨てるまで2年かかりました。
猫が気に入ったものを捨てることは許されない
ネコを飼うなら、飼い猫がどんなに気に入ってる袋でも、どんなに入りたがる袋でも、捨てる勇気が必要です。
さもなくば、おぞましいゴミ屋敷の完成です。
我が家のネコは最近はディズニーの袋がお気に入りなので、ボロボロになるまで捨てません。
呼ばれたらすぐ駆けつけてしまう
ネコを飼うと、鳴き声にすぐ反応する体質になります。
僕は犬も猫も飼ったことがありますが、犬の「ワンっ」にはあまり反応しませんでした。
しかし、やつら猫はイヌ以上に多彩な鳴き声を使い分け、飼い主を呼びつけます。
●ナォ~ン…
●アゥ~ン…
●マァォォ~ン…
さも悲しげに鳴いてみたり、ウチに至ってはなにかを見つけたように「ンナァ?」とか言います。
気にするなっていう方がムリでして、そんな声を聞けば泥酔して布団に突っ伏してようが駆けつけることになります。
実際に行ってみればなんのことはない、ただ単に「なでろ」とか「遊べ」っていう要求なんです。
でもほら、赤ちゃんが泣いてたらとにかく駆けつけるじゃないですか。あれと同じです。
駆けつけなければおやつの箱を強引に開けたり
とにかく激しい報復を受ける
こうなればもう奴隷の入り口で、召使いだか爺やだか都合の良い女になります。
猫を飼ったら、アプリをしていようが動画を見ていようが鶴の一声ならぬ猫の一声で召喚される召喚獣に成り下がってしまいます。
ちょっと失礼。席を外します。
夫婦げんかすらできない
ネコは空気を察知する能力が優れています。
そのため、飼い主同士がケンカを始めると仲裁に入ると言われています。
すこしでも不穏な空気を感じれば、先に挙げた「ナァ~ン…」という悲しそうな声を挙げつつ、間に割って入ります。
飼い主はネコに洗脳されていますから、それまで一歩も譲れなかった気持ちもどこ吹く風。
とたんにネコの機嫌を伺う奴隷脳に切り替わるんですね。
悪いのは妻でも夫でもなく、自分を構わない人間
そのため、ネコを飼うとケンカのひとつもまともにできなくなります。
「ケンカするほど仲が良い」なんて言いますが、これでは夫婦崩壊の危機になってしまいます。
おかげで我が家では、ネコを飼い始めてから、ケンカしてもせいぜい1日で終わります。
離婚してしまう未来はすぐそこまで迫っているかもしれませんね。
とにかくいいように使われる
「奴隷脳」という言葉を使いましたが、ネコを飼うと本当にとことん自分の都合で利用されます。
●腹が減ってはせっせとおやつを出す
●抜け毛があればしこしこブラッシング
●深夜の呼び出しも辞さないブラック企業化
もちろん先に上げた9個も奴隷脳によるもの。
すべてはネコ基準、ネコいちばん、ネコさまさま。
「ツンデレ」なんていう言葉がありますが、あれは共に生活していないからこそ、可愛げがあると知ってください。
ネコを飼えばネコのために働き、ネコのために生き、ネコのために眠る毎日です。
猫は人間を都合の良い家来としか思っていない
それだけの覚悟を持てないなら、ネコを飼うことは絶対にオススメできません。
高確率で自分より先に逝く
ネコは多くの場合、自分より先に亡くなります。
僕は生まれたときから動物に囲まれた生活をしてきましたが、
10回味わっても、100回見届けても、家族が死ぬ悲しみは到底乗り越えられないものがあります。
ネコを飼うということは、同時に大切な家族の死を見届けることを意味します。
「慈悲」という言葉がありますが、慈しむことと悲しむことは背中合わせです。
見届けなくちゃいけない飼い猫の老い、病気、衰弱、やがて迎えるお別れ。
その短い生涯を想像してなお、悲しみに暮れず、その20年ほどの猫生を精一杯幸せにしてあげる覚悟を持てるかどうか。
必ず迎える死は、猫を飼う最大のデメリットとしか言えません。
可愛ければ可愛いほど、別れは辛い
ネコを飼う本当のデメリット
心なしか最後にしんみりした気がしますが、猫を飼う最大のデメリットは他にあります。
それは「数字が数えられなくなること」です。
僕はタイトルで「13のデメリット」と明言しています。
目次を見てください。
14です。
猫を飼ったら算数すらおぼつかなくなります。
くれぐれもご注意を。